詩人/梅昆布茶
 
名前のないものにかこまれて生きている
見たもの感じたこと
言い表せないもどかしさ

伝えようとするものには
名前がないし
きみの良いところも
うまく表現できない馬鹿者だが

そういった隙間を
きみのことばが
するりと埋めてくれる楽しみもある

ことばの力を
たぶん信じている

たんなる道具であったなら
それほどにこころを揺さ振るまいとも

いいんだ風変わりでも孤独でも
あるいは平凡にもおもえる日常の点描でも

名前のないものにかこまれて生きている

それに命名するいのちのはたらきを
詩人とよびたいと想う

僭越ながら
そう決めたのですから

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