ボクの名画座〜映画あ〜じゃこ〜じゃ〜第一館/平瀬たかのり
せ、楽しませることができてるってのは、結局人間がきちんと描けてるってことなんだなあと思う。
阿佐田哲也の原作も読んだことがありますが、見事にその世界観を壊さず生かしてたと思います。
坊や哲、ドサ健、女衒の達、上州虎、出目徳…出てくるたちキャラの立ちっぷりたらない。誰もが心から楽しみながら役になりきってるのが伝わってくるのです。特に出目徳を演じた高品格さんのうらぶれた老博打打ちの演技はこの作品を支える大きな魅力の一つと言えましょう。
ちょっとラストの勝負に比重置きすぎの感がなきにしもあらずだけれど、過不足のない省略効いたシナリオ、あざとくないモノクロの画面、昭和邦画史に残る娯楽映画、かつ18、19の少年がいろんな痛みを覚えながら少しずつ大人になっていく青春映画の傑作でもあります。
そして加賀まり子、大竹しのぶ、さすが!
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