実は/ドクダミ五十号
 

作る事でしか上達しない
時に盗み考えながら
教えて下さいと頼んでも
馬鹿かお前はと言われて
恐ろしい気迫に満ちた瞳を向けられる
無言で

さあ美味しい干瓢巻を折りに入れて
或いは経木で包んで
愛しい人と出かけましょう
結局は愛情の
真心の染み込んだ味が
微笑みを生んで
職人でさえそう望んで職人になるのです
お父様やお母様だって恋人だって
苦労してそれを苦とせず
成し遂げ
そうして暖かを得るのだと思います

さあ!甘くて塩っぱい干瓢巻きを
愛する人に
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