青い森の少年/嘉野千尋
 
葉を、言葉を、言葉を
  言葉でいっぱいにして少年は投函します


  それでもいつも「逢いたい」とは書けませんでした


  舞い落ちる葉はベンチの上
  少年の肩に、胸にと降り積もります
  いつか少年がこの青い森の中で
  閉ざされていくこの青い森の中で
  残された空白に、
  ただ一言を書き記す時が来るのでしょうか



  元気ですか、僕は元気です。僕は元気です。僕は、僕は・・・・・・



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