滴り落ちる血のようなリズム/ホロウ・シカエルボク
る夜もあった、存在はいつでも真夜中にグラついていた、それは誰もが剥き出しになる時間だからだ、皮を剥がれた食用の動物のように、剥き出しになって転がる時間だからだ、自分自身の肉の臭いが煩わしくて堪らなくなる、悲鳴をこらえながらどうにかぶちのめしたいと考えてはみるものの、まさかてめえを捌くわけにもいかねえ、悪性腫瘍のように体内を侵食していく―正直、それは紛れもなく正直さなのだ、俺と同じように寝床で目玉を見開いて薄暗がりを睨んでいるお前になら判るだろう…俺を取り囲んだ卵が何かを怖れているようにぶるぶると震えている、どうしたんだ、何がそんなに怖ろしいんだ…もしやお前らが怖れているのは、その殻を破って産まれて
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