玉田金造「わたしの胡桃」/花形新次
 
わたしのことは
いくら非難してもかまわない
でもわたしの胡桃を悪く言うことは
許さない

絶対に許さない

確かに今となっては
何のために存在しているのか
自分でも分からなくなることがある
邪魔だと思うことも
無いわけではない
しかし、昔はちょっと
サワッとされるだけで
えもいわれぬ快感を
わたしに確実にもたらしてくれた
かけがえのないモノなのだ
左胡桃、右胡桃
どちらも
永遠に
わたしの胡桃なのだ

(玉田金造詩集「シワがないと気持ち悪い」より)
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