ひとつ 逢魔/
木立 悟
み
吐き出しつづけるという
門のかたちをなぞる灯が
暗がりに溶け落ち 冷えてゆき
風に土に
行方なくころがる
火が火を包み 燃えあがり
息だけを焦がし宙に消える
岩壁を覆う蝶の群れ
水草の色を変えてゆく
崖はつづき
径はつづく
曲がり角のない夕暮れが
手のひらの水底にまたたいている
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