うどんの/りっと(里都 潤弥)
 
うどん粉って、耳たぶを噛む感触、照れ隠しのひらがなの発音

うどん玉ぶつけて君を差別する鼻だけ長い蛋白の僕

夕焼けに喉を詰まらせ思い知る逢えない夜のうどんの長さ

うどんにはあまり興味がわかなくてそこだけ二人喧嘩をしない

カップうどん容器の底のつゆの溜まったところに一人立っている

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