そのひぐらし/ドクダミ五十号
 
招来とか未来とか
先の事は未知だよ
君には解るのかい
例えば一時間先が

その場をこなして
一日の終わりを迎える
すなわち「そのひぐらし」
実に悔しいけれど

だからさあ
私はその場限りが
先が解らないなら
今という刹那をどうにか
連続する事で今日が終わる
まるで畑を耕し
其れを眺める様に
一日の終わりを
黄昏に照らされた畝を眺める様に

後ろ向きは当然だよ
誰が耕した土を踏むかね
そのひぐらしと連続は
予感させるけれども未確定な未来を
予感してみる大切な作業だろう
しょせん人間なんてその程度では

だから「そのひぐらし」のなかで
詩を作るのです絵を描くのです夢も見ましょう
「その日を暮らす事で明日は明ける」とは
一つの真実の言葉でしょう
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