遭遇/きりえしふみ
字通りピチピチしていた頃に書いた一言と
同じ一言が
滑稽なほど愉快な書体で無邪気に僕を見上げてた
どこかで外泊中であったらしい心の片割れとともに
僕は笑った ほんとに
僕は歩いた ほんとうに
たくさん歩いたのに
そう ”だから”か たまに躓く
僕は 扉をピシャッ!と閉めたりもする
それが心だと
言葉だと
(そしてそれは縫い合わされた一人称の一部だと)
もう身に染みている
まだ 片道までも進めてもいないよう
凸凹の小花咲く道すがら
”そして” あなたと目が合った……
(C)kirye shifumi 2014/10/26
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