結び目/梓ゆい
かすかに触れた指先を追い求め
いくつもの場所ですれ違う人影の名前を
ぽつり・・・・ぽつり・・・・。と呼びかけた。。
詩集を抱き
いちごみるくの欠片を放り投げながら
隅田川の水面に視線を落とす・・・・。
あれから・・・・
幾月かの昼下がり・・・・。
少女が抱く思いは形を変え
一つの出会いを
太く・太く・丈夫に結ぶ・・・・。
○慕情が行き交う言葉遊び・・・・。
○まっすぐに伸ばされた細い腕・・・・。
視界の先の人影を想い
小さな身体は
幅跳びを繰り返す・・・・。
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