百鬼繚乱 < 3 >/nonya
ITTANMOMEN (一反木綿)
薄っぺらな奴だと蔑まれても
捉えどころがないと疎まれても
何処吹く風を自在に乗りこなして
へらへらと今をすり抜けてやる
旗のように風をくらって
縄のように力をあざなって
服のように人をかざって
雲のように刻々と姿を変えたいから
たとえしがらみに引っ掛って
空を仰ぎながら途方に暮れても
たとえ世間体に挟まって
雨に打たれるまま薄汚れても
簡単に破れたりするもんか
ぺらぺらの性根に
しっかり織り込まれているのは
100%コットンの心意気
*
FURARIBI (ふらり火)
眠れ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(19)