天地動説/衣 ミコ
 

“散文と詩歌は繰り返され予言は成就する”

古い書物を胸に抱き
金平糖のような星が散らばる
空を見上げた
きっと宇宙は
ちっぽけな存在が考えるより
遠くて近い
きみなんて
もっと

もっと、

小さな飴玉が
舌の上でパリンと砕ける
カラスの鳴き声が聞こえた気がする
それでも足は動かない
僕はここに突っ立ったまま
天地の方が痺れを切らして動き出す
 
(今日も
人の人による人の為の
愛や平和や正義が大手を振るう
大袈裟なデモも
死ぬ迄の暇つぶしのひとつ
だけどその騒がしさが
戦争や差別と何が違うのか
よく分からない
TVに映る

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