うるおっていた/まきしむ
中で僕ははじめて
本当の気持ちになる
何も考えない
何も、考えということが
どういうことだかわかるかい
君が君であることが
当たり前だということ
そこにいるということが
わかりきったことであると
どこに行くのか
つま先を見ればわかる
そういうこと
そんなこと
当たり前のことなんだから
最初から最後までそうあるのが
本当なんだよ……
なのに、
僕は君の白い肌が本当に好きだ
干し草の匂いたつような、なんか甘い匂いがする気がする
生きてるって気がする
そのためだけに生きてるって言ったら
嘘みたいだが
本当にそれがなかったら
なんで生きてるかなんか
わからないね
そうして朝が来たら、
薄暗いキッチン
青い空気が室内に通る
コーラを取り出して飲む
僕は淋しくなんかなかった
その時は、本当に、ただ嬉しい
気持ちだけあって
何にも同調させる
必要などなかった、僕は
うるおっていた
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