憂い/
ドクダミ五十号
秋雨のそぼ降る小道
杖つきたどるただ一人
遥かなる山を駆け下り
もみじの色の
潤い光る鮮やかに
憂いの心も染めてゆく
頬をつたうは涙か雨か
もはや過ぎ去りし事など
思うは愚かと
覆いかぶさる枝葉は囁く
なれど憂いは深く
美しい秋に
来るであろう冬の
乾いて沈むのを
思うのだ
さて人生の秋に於いて
先を思わずにいられようか
身が染まる
どんな色だろうか
きっと美しくは無かろう
残念な事である
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