正座 / 想い出した情景/beebee
 
の半分を閉ざし
体を動かしていた
兄達はどうだったろう
良く分からないが
自分には父権社会のDNAが刻まれている


父の葬儀の時
自分の子供達が正座しているのを見た
その時何かが足りない気がした
厳粛な表情や
年長者への敬意
新しい家族秩序への不安?
みんなあって
誰が見ても葬儀の席のひとコマの情景だ


いわれなき服従への反発?
恐れ敬うべき存在の不足?
それは正座じゃないんだよ
そこには喪失感もあって
自分が住み慣れた生活の終わりに
一つの区切りじゃない郷愁もあった


自分は何を言うべきなのか
自分は何を伝えるべきなのか
そんな言葉が浮かんで
ニヤリと笑った


とても伝えられない時間と生活と
想いの積み重ねを
どう伝えれば良いのだろう
自分には父親のような権威も強制も
生き方もない
ただ父親の前で正座していた姿を
過ごした時代と時間を想った






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