正座 / 想い出した情景/beebee
 
子供のころ
父の話を聴く時は正座をさせられた
兄弟で並んで正座した
肩こりの父親の肩をもむ時も正座していた


母方の親戚の葬儀の時
肩が凝ったと言い出した父を
正座をして身体を揉んだ
長兄が肩を、次兄が手を、
私が小腿を揉んだ


東京出身で大学出の父は
奈良の母の田舎に世話になっていたこともあったが
自意識が強く
大阪の商社の秘書だったこともあって
母方の親戚の中では特異な存在だった


遠目に見ていた母方の親戚の人たちが
良く教育されていると
良い子たちだねと
口々に言ったのを想い出す


私たちは本当に良い子だったのか
私はいつも心の半
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