空を飛び、血に塗れる、そこにどんな違いがある…?/ホロウ・シカエルボク
 










エコーするリズムの中に意識は隠れていく、反復と変則の入り乱れるアップダウンなビート、上下左右が判らなくなる拡販の中で目を閉じなかったのはきっと、そんな混沌の中でしか見えないもののことを知っていたからだ、日々に疲労した指先が痛みを覚えているけれど、だからって何も書けなくなるわけじゃない、適度な痛覚は意識的であるのには効果的だ


空に浮かび上がる夢をよく見る、高度は時によってまちまちだが、浮かび方はいつも同じだ、歩きながらその延長のようにふわりと、当然のことのようにそれまでと同じ速度で蜻蛉のように浮かび上がる、そこには感動も恐怖も無い、本当に、ただ歩いて
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