きみのすべてよ応答せよ/木屋 亞万
わらった顔も、くびもさこつもうなじもてくびもゆびも、
ねえねえとよぶ声も、とんとんと呼ばれたときの肩の感触も、腕と腕が触れていたことも
きみとのすべてをわすれるために
信号が赤になっても止まってはいけない、立ち止まったら考えてしまう
きみの話し方を、語尾の癖を、笑い方を、照れた目を
きみはいま何を考えているかなんて、考えてはいけない
頭に流れるこのことばをきみにつたえたら、どうなるかなんて考えてはいけない
きみのすべてに、からだの核が呼びかける、こころはそれをゆるさない
応答せよ、応答せよ、たすけて、だれか、さみしい、きみは?
はしる、走る、つかれて眠るそのときまで、歩けなくなるまで走る
走り続けて死ねたらきみは
かけつけてくれるかな
かんがえてはいけない
かんがえない
応答せよ
おう桃
嘔吐
おうt
ぉぅ
ぉ
ぅ
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