ランド(瞬きも出来ないほどの)/ホロウ・シカエルボク
この魂を飛び越えたところ、この境界線を突破して、新しい様相を築き上げる、俺が行きたいところはひとつだけ、俺がやりたいことは―どうしたって間に合いやしない、そんな苛立ちがただただ心地良いのさ、どこまでも踏み込めるアクセルを踏み込んでいるような…判るかい、そういう気持ち、俺は本当の突破を知りたいのさ、本当にすべてを振り切って、何もかもがそのスピードに追いつけなくなったとき、振り返ってみるとさぞかしいい眺めが見えるだろうぜ…混沌も、清純も、血肉も、魂も、快楽も、痛みも、燃やしちまえばすべて灰だ、石炭を燃やすように次々と投げ込むのさ、燃料にならないものなんて何も無い、あらゆるものが振り切るための理由になる、脳味噌が煙を上げる、狂うときが来た、狂うときが来たぜ、最高の気分だ、一気に振り切るのさ、そうして、初めての景色を手に入れよう、初めての旋律を耳にしよう、初めての羅列を描こう、初めての魂を飲み込もう、まだ先がある、絶対に追いつけない、命がすっぽ抜けるまで描き続けるしかない、ぶっ飛ばして…
そうら!そこから、聞こえるかい!
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