害虫/……とある蛙
コクゾウムシの一亜種
体長3〜5ミリ程度の
半透明の短躯
頭部に繊毛が生え
触角の役割を果たしている
専ら樹皮の線維などを主食とするが、
近年木造家屋の柱などに付着し
家屋倒壊を招く害虫に認定された。
たまたま倒壊家屋の一部を搬出した
路上生活者が
この蠢く虫を
当初シロアリかと思い
暇に任せ観察したところ、
遠くでシロアリが小さく頭をひねっていた
樹上生活者の猿の仲間から
シロアリ仲間ではないとと指摘され
途上生活者は
自分のよく知るコクゾウムシだと
交番に届けた。
当初は相手にもされなかったが
倒壊家屋が増加するに従い、
国土交通省が専門家である昆虫学者などに
その虫との因果関係の検証を依頼し、冒頭の結論に至った。
その間20年
使われた膨大な予算は
とりあえず、
学者と役人の暇つぶしに
使われたこと 言うまでもない。
そして,いまや都市部の日本家屋で
木造家屋のものは著しく減少した。
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