寒い夜道を自転車飛ばす/
中村 くらげ
僕の帰りを待つ妻と子のため自転車飛ばす
一人きり歌いながらお腹空いたと呟きながら
街灯で薄明るい公園の脇 自転車飛ばす
何処かから漂ってきた誰かのためのカレーの匂い
片道3車線の道路をヘッドライトが照らす
あの一台一台に一人以上の人が生きている
ぜえぜえ息を切らして寒い夜道を自転車飛ばす
僕は僕のために家路を急ぎ自転車飛ばす
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