真夜中にあれこれのかたちをどうのこうの/ホロウ・シカエルボク
でかい水槽があって
二メートルのピラルクがそこを回遊してるんだ、のんびりとね
子供のころはあの水槽が怖くて仕方が無かった、割れるんじゃないかって
もしも割れたら自分はきっとあのどでかい魚に食われてしまうんだろうって
いまではもう少し安心して見ることが出来るだろうけど
あいつはまだ生きているのかな、こんな僕の思い出になってるなんて
きっと、夢にも思ったことは無いだろう
鯨のペニスが置いてあるのは桂浜の水族館だったかな…
ともかく、僕は回遊するんだ、あの時目にしたピラルクのように
のんびりと歩いて、大通りを横切り、コンビニにでも立ち寄って、余計なものを買って
考えてみればおかしな話
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