真夜中にあれこれのかたちをどうのこうの/ホロウ・シカエルボク
羊歯の葉を滑り落ちた雨垂れが棄てられたショッピングバッグに落ちる
夜は街の明かりに隠れながらいつの間にか途方も無い闇となり
僕は雑草の生えふさぼったベンチひとつだけの公園の中で
こちらの様子を伺いながら距離を開けようと強張った猫を見ていた
携帯オーディオプレーヤーから細いコードの中を潜り抜けて
脳味噌に遊びにやってくるのはルー・リードの最後の歌声
メタリカと一緒にやったやつさ…詩人の為のアルバムさ
だからジャンルを美学にしてるようなやつらにはまるで理解出来なかった
あれは現在進行形のポエトリー・リーディングだったんだ
猫の姿が見えなくなってベンチに腰を下ろ
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