ひかり 遠景/木立 悟
 



腔という腔を埋めに来る
熱く静かな赤銅色が
自身を小刻みに震わせながら
明日の昏さに侵入してゆく


足を滑らせ
土を確かめ
上に上に 花を放る
誰もいなくなる
既に
誰もいない街から


午後と同じ色をした
傷のような無人の家々
常に風がすぎ
何も映らぬ水面に
ひとつの花が浮かんでいる


























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