君はラストシーンみたいに笑う/竜門勇気
君は赤い花束を窓辺に
僕はキノコを束ねて天窓に
グリーディングカードの壁を見て
二人で笑ってる8月の昼下がり
雪のことを思い出して
一つのカップを挟んで話し合う
あれは青ざめて刻まれた
ニッケルみたいなものだった
見解の違いがたくさんありすぎて
カップの中の砂糖水が雪になっている
浅い眠りに邪魔をされて
結局朝までに結論は出なかった
永遠に出ないんだろう
お互いにポケットに手を突っ込んで
切り札が出てこないように見張ってる
ラストシーンで笑うのは私
僕はこの瞬間がラストでもいいよ
笑いながらグレープをジューサーに放り込む
なんだか渋いものを飲まさ
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