座礁/nemaru
 
気がする

粘っこい重油にまみれた
やせほそった海鳥と
沖で座礁した
外国籍のタンカーが
なぜだか
交配をこころみていた

そんな馬鹿げたころがあったねえ

君は勝手にぶぐぶぐ沈んでいって
私は体温調節ができなくて
震えるだけだった
あの季節

君は欲張りで持ちすぎて
私はこわがりで持たなすぎて
それでも
変てこなバランスで
たしかに繋がっていた

同じぐらいの大きさに生まれていたら
抱っこして
ここらへんに隠れて
「幸せそう」にしていられたのに



そうなりたかったんだ
って

笑う
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