熾きをみつめて 五/
信天翁
土砂降りは はげしいリグレットの雨
腐敗臭は つめたいカルマのヘドロ
頼りの杖だけが 骨折をわずかにささえる
胸のうちで 燃やすものがなくなった
胸の底から 萌えあがるものもなくなった
老耄になり果ての おひとりさま
限りない闇が 見え隠れするなかで
歩けば歩くほど 茫洋とうかびあがってくる
わびしげな終着駅は 点滅するネオンよ
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