いきをする/オオカミ
 

りんりんと
しなびた空気をいま
のみこんで

ナイフを もっています
ナイフは 金物屋のおじさんが
よく切れるよ と言っていたので
(おじさんは嬢ちゃん、といった)
(ナイフを売ってくれた)


快活な空がぐおおおとうなりをあげて
瞳孔をくぐり想像の天上を突き抜ける!

exclamation!
そんなものよ!

叫んで高々とナイフを掲げる


すべてはうそだ

こんなに光っているいまでさえ
しゅん ときえてしまう
時間が、







よるの帳
しゅん とまぶたをふせて
(でも瞑らない)
睫毛をうんと長く想像してみた
(だから瞑らない)




橙色のすきまから
ほんとうのことは いつも見えた



ながくない、
だけどけして
くらくもない



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