「好き」の期限ときっかけと/佐藤承夕
お気に入りのあの歌手の
お気に入りのあの曲を
アラーム音にしたときから
お気に入りを嫌悪する
つまらない学校の
つまらない教科書を
指を指して読まされてから
文字を見ると欠伸がでる
ぼくらが好きなものたちの
好きの理由の源を
見失って忘れてしまえば
好きも嫌いも消えてしまう
ぼくらが好きになるものと
出会う未来の始まりが
退屈という名の眼鏡越しでは
どんな景色も色褪せる
人の心は移り変わり
色は褪せて美は枯れる
それでもそれを見つめながら
ぼくらは「好き」を風に乗せ
共にいれるこの今を
いつまでもずっと大切にと
愛しく思える未来に贈る
お気に入りのあの曲の
つまらない教科書の
時代や世界を飛び越えた
想いを受けとれますように
戻る 編 削 Point(1)