円卓/鵜飼千代子
上座のない、円卓で話したいね
ぶっきらぼうや
口さがないのに頂いてしまっても
下座もない、円卓で話したいね
ひとつ意見をしただけで
100の説教を喰らわされたのだとしても
おどおどしながら意見も言えず
何かを言えば、
這いずる蛇の舌で言葉狩りをして
首根っこ抑えられるような
そんな昔は終わりたい
顔を売る為に物語を作って発破をかける
何度でも懲りない
そんな晩酌は酒が不味くなるのでしない
気付いてはいます
過去の本当を改竄しても
今その物語がわたしをわずかながら
被害者として
美しく映すのだとしても、
違うから。
あの時、あの場所でそれぞれが向き合ったことは
掛け替えの無いこと
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