インストの流れる路地/番田 
 
僕は誰もいない日に
タバコを吸いこむ そこは
五反田のマンションの一室 今日も そこで 
照明の明かりを見させられてはいなかった

僕はネコに近寄られたけれど
今は食べ物は
鞄に持たされてはいなかった 手を見る 
持っているときは 階段を上る 
月食で人が 人の
人であるための空を見上げているようだった
空が風俗街の中に同じようにある
そしてそこに僕の空はなかった

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