月蝕から遠くない日に/りゅうのあくび
月下美人のつぼみは
僕から君へと宛てた
詩集の挿絵に
描かれていて
本当は籍を入れる時は
月蝕の夜になっていた
かもしれない
まるで仮眠でも
取るように
くれないに染まる月蝕は
とても静かに耀いて
都会を包む夜空のなかで
月を食む鳥たちの夢のなかで
僕たちはとても感謝しながら
そばにいたいと
お互いを想っている
できれば
一緒に海辺に行って
ふたりで愛を誓うことを
約束をする日は
欠けることのない
満月の日に
果たしたいのだけれど
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