・ホーキング博士(タップ)画面に射精する/アラガイs
 
身体は膨張をはじめ
赤紫色の点滅くり返しながら促すようにこちらに手を伸ばしてきた
眠っている遠い画面の端から怪しげな衣を脱ぎ捨てた星雲が近づいてくる
元素の固まりを薄い皮膜で包み込む気だ
導かれたものは弾力性に富んだやわらかな手触りで
痺れて動かないはずの手足から指先に電流がはしった
ああ…なんとも言えない心地よさだ
むき出しの神経細胞に触れられて身悶える感触
生々しい揮発に全身から力が解き放たれる
この感触は何年も
いや、何十年と忘れていた触感がコンマ数秒ほど脳に伝わっては宙を廻る
これは思いがけずに何かのやわらかな感触を手に入れたのだ
∞∞∞血圧には気をつけてね

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