霊感 I(自然と水銀の調合物についての注意事項※愛が足りない場合)/汰介
――毒に気付かせない様かつ頼り無く感じさせる程優美に――
鏡と鏡
鏡 鏡
あれ?あなたはお仲間?
それともここに映るのは私なの?
演技をする人の間で演技は分からない
演技をしない人の間に演技は存在しない
だってそれは鏡臭い
――それが幽玄のコツなんて事
常識じゃない
――その鏡の臭い取り除いたら
何が残るの?
心配しないでいい
その鏡に
もうこっそり毒を塗っておいたんだ
もう何年も前に
もうその毒があなたは確実に回っているんだね
僕はもろもろの毒を産まれながらに担わされた
毒物取扱者なんだ
僕の所から毒を盗んだ所で
その毒が自分に回るだけさ
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