枯葉の歌/藤原絵理子
洋燈が揺れている 心を反映する
「愛しています」 わからなくなった夢
見知らぬ暗い森を 彷徨っていた
遠く微かに 木々の隙間に瞬く 暖かな光
秋の夜に 影をなくした 心へ
何かしっかりしたものに 寄り掛かって 凭れて
泣いたっていいんだよ 優しく甘い歌に
膝を丸めて 子供みたいに安心して と
いつかは 誰もいなくなる
晩秋の高原よりも もっと深く 誰もいなくなる
独りきりで 季節の巡りを 眺めるようになる
夢の果てに 「今」が 消える時に
残すものは 喜ばしい記憶 そのために
自由に もっと自由に しあわせになることを
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