夕方/青色銀河団
 
魚の核のごとくつのるもの鳶色の街遠い野原


あざやかな稲妻のように殺す街 行き交う人みな 音の群像になり


ちっぽけな硝子のようなわれのかげ黄昏握るナイフの沈黙


水晶の祖国のみこむ蝶さえも落ちゆくかわりのオレンジひとつ


世界の記号にためいき放つわれは閉ざされたまま物質のまえで


落陽のような電話が鳴りひびき夕明かりのような郵便届く


名も知らぬ希望の海岸降りたてばあおぞら孕むほのおの行進





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