社会美/葉leaf
 


私と社会との出会いは単純なものだった。大学で幅広く社会科学を学んだので、そこで自動的に社会の仕組みや社会の出来事に興味を抱いたのだった。人が集団をなして生産活動を行っていく中で、どのような体系が出来上がっていくかについて、社会科学は様々な角度から説明してくれた。政治学は力のせめぎ合いを、法学は規範の集合を、社会学は人間のつながりを、経済学は生産と消費を、見事な体系で説明してくれた。それはひとつの哲学体系のように整然と整理され、一つの精密機械のように精巧で精緻だった。私はこの理論でもって体系的に整然と構成される社会を美しいと思った。数学の鮮やかな証明が美しいのと同じように、あるいは雪の結晶の
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