1989年のこと mixi日記より 2010年11月/前田ふむふむ
のことである。
また当時、一時的にせよ、多くの社会主義的な論陣を張っていた多くの文化人が、一斉にマスメディアから、いなくなったのである。社会主義が完膚なきまでに否定された瞬間だ。
そういう僕は、冷戦の時代に、どちらかというと、かなり保守的思想の環境にどっぷりとつかっていたが、それでも、当時の日本社会に充満していた、資本主義の諸矛盾に、大きな不満を持っていて、当時のソ連や中国に、ある種の幻想ではあるのだろうが、理想郷のようなものを求めていたことは、確かである。夜になると、よく短波放送で、日本向けの中国の国営放送を聞いて、ワクワクしたこともあったし、時として、社会主義的な本も好んで読んだ。
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