秋になっても渡り鳥は渡らなかった。/komasen333
終わりを予感したのだろうか。
秋になっても渡り鳥は渡っていこうとしなかった。
9月を過ぎると思い出すよ。
あの頃のあの君を。
響いてくれ、響かないでくれ
繰り返してばかりいたあまのじゃく。
届いてくれ、届かないでくれ
素直になることができなかったぶっきらぼう。
あの頃のあの君にもう一度会えたら
あの頃のあの君ともう一度話せたら
叶わないことを思い浮かべる10月の始め。
変わりゆく街並みの中で
自分だけが変われていないような虚無感。
移りゆく人並みの中で
自分だけ
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