ロボットの話/
たもつ
ロボットは町中の人々に
自分はロボットであると言って回った
町中の人々は
確かにお前はロボットだと答えた
しかし、ロボットは
俺はロボットの言うことしか信じない
と言い続け
ある冬の朝、壊れてしまった
町には外れの方に
人が死んだときに入る墓地はあったけれど
スクラップ工場はなかったので
人々は隣町までその体を運んでいった
まだこの町に
ロボットが一台しかいなかった頃の話だ
そして人々は皆、正直者だった
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