白と灰の実/
木立 悟
重なる虹の隙間から
午後の暗さがのぞき込む
牙の内側を滑る泡
破ける間もなくふくらんで
くちうつしの寂しいうたになる
地も 空も逆さまで
漏斗だけが正しく横を向き
ただ蒼ばかりを濡らしている
指と指のあいだの
細い帳を照らしている
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