日蝕/
為平 澪
い、い、い、
その先が いえない
蛻になった私の部屋で 心臓を鷲掴みにして
笑う男がいる
(新しい太陽を植えてあげよう。
今度からはこの光で動きなさい。)
真夜中に巨星がうめき声をあげては
流星になって滅ぶ
そのたびに私の子宮から月見草が咲き乱れ
腕にその残骸の痕を遺して逝く
喉から、あ、い、が、生えて滴り落ちる時
ああ、また、私の上で
無口な月が太陽を餓死させている
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