ある白地図/
梅昆布茶
ときどきは野道をはずれたわわに実った
葡萄のみずみずしさのなかをあるく
清流はただひとすじに丘をくだり
やがてはしずかな湾へとたどりつく
空から舞い降りて来る静謐をひろいあつめ
ジグソーパズルのようにつなぎあわせて
見知らぬ土地の白地図を紡いでゆく
さまざまなまちかどを彷徨い
地平にちかく燃え盛る遥かな光年の星に憧れる
いつか煙りとなって空にのぼってゆく
そんな見えない場所の白地図を
そっと手に入れたいとおもっているのだ
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