神と物語/黒髪
 
人間は生きる期限を区切られている。区切りの中に自由もある。だから、期限に対する不満の駆動力を
期限によって区切られた自由に持っているということが、私という人間への不満になり、
物語を作る。
物語は、未来への不安と、過去への不満を解消する目的にしたがって作られるのではないか。
物語の中でつながっているということは、他者を存在させるための最上の形であると思う。
物語は各個人の中において作られる。そのためのお手本は、あまた存在するのだ。
物語の破壊は、思想の破壊であろう。いかに幼稚な思想であろうと、それはひとつの形をなす。
だから、その形が壊される時、時間が壊される。壊された時間は、恨みを
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