ノート(かたち)/木立 悟
 



訪れるものに告げられる
訪れてなお訪れるのだと


川の水は増し 鳥たちは
乾く間も無く飛び立ってゆく


まじわり はなれる
指の内 指の外
同じかたちの光に重なる
水門の向こうから届く声


陽のもとへ 陽のもとへ
空の羽は水を運ぶ
高くとどまる午後をあおぐ
花と衣と雨の地の羽
灰と緑のあたたかさへと
告げるものは
はばたくものは
ひとつずつ
ひとつずつ訪れる




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