弾道(千鳥足で、無闇に。)/ホロウ・シカエルボク
さ。夏以外のどこかの季節だ。それは蝉の声が記憶の中に残っては居ないから。それ以上のことは何も思い出せない。ただあの日、自殺ごっこという出来事があったということ以外はさ。小さな音でクラッシュが流れている、小さな音でもクラッシュしている、スピリットは模倣出来ない、いいかい、スピリットは模倣出来ない。生きてるうちに死体になることが出来ないようにさ、それは必ずお前自身の在り方に変換されなければならないんだ、他人の服を着てそれらしく振舞うようなことがしたいだけならここに来な。俺が自分の手で脳天を叩き砕いてやる。お前の脳漿をデザートに食らうのさ、きっと糖分が多めだろうからな。そうして俺は穴ぼこのことを考える。今日は少し長く眠り過ぎたけれどそれ以上のことは何も無かった。
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