宇宙の青白い光/吉岡ペペロ
ラウマが溜まってしまうようだ
愛するひとのそばでは
愛を与えるひとでありたい
車やバイク、町の音
壁だらけの人生なのに暮らしには壁がない
長まわしの映像が切り替わるたびどきっとした
愛するひとのそばではせめて
愛を与えるひとでありたい
野良犬のような夜が続いていた
だからせめて餌を与える側でいたかった
懐中電灯で照らされるような暮らしが続いていた
だからせめて見回る側でいたかった
雨、町の音
夜が更ける
夜が明ける
車やバイク、町の音
どこからか工事現場の断続音
町を見つめながら昼飯を食らう
宇宙の青白い光を見つめながら
宇宙の青白い光に見つめられながら
打ち捨てられながら
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