掌/
みもる
夜空の星ほど過ちを犯し
すっかり両手は
真っ赤に染まってしまった
小さい頃に泥遊びをして
汚したはずのこの手と
重ね合わせては
罪悪感なんかじゃない
儚い無常がここにある
今のこの汚れを
洗い流す気なんかない
絵の具のように
体中にペイントして
胸を張って歩いていけばいい
この手は
人を傷つけるためにあるんじゃない
道具を使うためにあるんじゃない
いつか必ずやってくる
大事なものをつかむためにある
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