Sunrain/
木立 悟
市の午後
花と花と花が混じり
引き離すことができない
曇はいつまでも曇のまま
川の上の自身を見つめる
蒼から昇る光のつながり
金属を映す水の色
応える機械 呼ぶ機械
離れゆく 入り江を 離れゆく
目をあけると
子らはまだのぞきこんでいた
誰もいない中庭を
曇の影がすぎていった
音は去り 雨が来て
羽を持つ生きものの軌跡が
空を楕円に切り裂いた
子らは言った 虹の国の門だ
わたしは言った 天気雨だよ
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